2025-01-09
なぜ・なに公務員
Vol.1 地方公務員と民間の違い①

公務員と民間企業の従業員の違いってなんだろう。 「公務員」とは何のために働く人なのか、その特性を知ろう!

地方公務員の特性
地方公務員と民間企業の従業員の違いを考えてみましょう。 民間企業の従業員の雇用主は、営利を追求する企業です。それに対し、地方公務員の雇用主は、都道府県や市町村などの地方公共団体であり、究極的には、その地方公共団体を構成している住民全体ということになります。 そのため、地方公務員は、一部の個人や団体の利益ではなく、その地方公共団体の住民全体の福祉を増進するために勤務するとされています(これを「全体の奉仕者」と言います)。そして地方公務員は、全体の奉仕者たるために、民間企業の従業員とは異なる制約を受けています。
地方公務員の仕事
地方公務員の仕事は、利益のためではなく、住民の福祉の増進を図るために行われるとされています。 近年、住民が地方公共団体に対し求めるサービスは、質量ともに大きくなっています。身近な市町村の業務を考えてみても、高齢者や障害者などを対象とした福祉、公立の保育園や小中学校、図書館や公民館などの施設の整備と運営、地域の産業の振興、身近な公園や道路の整備、家庭ごみの収集と処理、上下水道、消防など、非常に多岐にわたります。
地方公務員の服務
地方公務員は「全体の奉仕者」として、住民の福祉のために勤務するとされています。そのため、公務の公正と中立を確保するため、民間企業の従業員とは異なる一定の制約を課されています。 (1) 守秘義務:職務上知り得た秘密を漏らすことが禁止されています。違反した場合には罰則が科されます。 (2) 営利企業従事制限:たとえ勤務時間外であっても、無許可での副業は禁止されています。 (3) 政治的行為の制限:政党の役員になったり、自らが属する地方公共団体の区域内で特定の候補に投票を呼びかけたりすることなど、一定の行為が禁止されています。 (4) 争議行為の禁止:憲法により労働者の団体行動権が保障されていますが、公務員はその例外とされ、使用者との団体協約の締結やストライキなどの争議行為が禁止されています。 たとえば、自治体職員が「有名人の戸籍情報を見て外部に漏らした」といった報道を見聞きしたことはありませんか。こうした事例が、(1)の守秘義務違反に当たります。「外部」というのは、“マスコミにリークする”など、不特定多数に暴露することだけではなく、家族や友達に話すことも同じです。 なぜ、そんなに厳しいのか。それは公務員が、個人情報をみられるほどの権力をもち、市民一人ひとりのくらしや人生に大きな影響を与えうる職だからです。全体の奉仕者として、つねに市民の信頼を裏切らないよう、自覚と誇りをもつことが求められます。

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