2025-04-04
私も悩んだ。民間か公務員か
宗像市職員/中村亮介さん

中村亮介(なかむら・りょうすけ) 30代 福岡県宗像市総務部人事課人材育成係 (2025年4月より市民協働部文化スポーツ課スポーツ推進係長)

~何のために働くのか~ 民間企業か市役所職員かの選択
元々、教師になるという夢を持ち大学へ進学。教職課程を学びながら大学生活を送りました。 ところが、大学3年生の冬には、周囲が大学院への進学や教員採用試験の準備に着手し始める中、私は民間企業の就職活動に参加していました。色々な企業を知ることに楽しさを感じてしまい、ついそちらを優先させていました。その中で出会ったある企業から内定をいただき、卒業後は東京で働く予定でした。 そうした状況だったのですが、漠然と「公務員って安定しているんだろうな」という理由から、地元である宗像市の選考を受けてみることに。結果は、合格でした。 行ってみたい企業か、地元宗像市の職員か。この2つの選択は本当に迷いました。おそらく、今までの人生で一番迷ったことだと思います。 そんな折、決め手になったのは、母からかけられた言葉でした。 「お前は、自分が大切にしたい人のために時間を使いながら働く方が、性に合っていると思うよ。」
~私の経験値~ 今までの仕事
宗像市役所に入庁して15年。ほかの職員の方より多くの人事異動を経験させてもらい、8部署も渡り歩きました。今までの仕事をすべて語ると、みなさんに読んでもらうには長すぎるなと思い表(右)にしてみましたので、興味のある方はご覧ください。
配属先 業務内容 配属年数
福祉課生活保護係 ケースワーカーとして生活困窮者の社会的自立の支援 2年
経営企画課企画係 市の10年間のまちづくり計画「総合計画」の策定、全事業の実施計画の評価・検証 3年
総合スポーツセンター建設準備室 市内にある3つの体育館を複合化するプロジェクトの企画 1年
トヨタ自動車九州(株)人事課〔出向〕 組織内マネジメント評価や社員評価施策の運用、人事制度の企画 2年
財政課ふるさと寄附係 ふるさと納税の推進にむけた返礼品開発やプロモーションの企画・実施 1年半
財政課財政係 市の事業の予算編成、決算分析 2年半
都市再生課街なか再生係 築50年を超えた団地の再生プロジェクトの企画、進行管理 1年半
人事課人材育成係 職員採用に向けたプロモーションや試験の企画・実施、職員の育成に向けた研修等の企画・実施 1年半
~仕事に「想い」をのせる~ 今の仕事
私がいま担当している仕事は、職員の採用と育成です。 採用は、世の中が人口減少時代に入り、働き手が少なくなってきている中、民間企業と取り合って(=競争して)います。 育成は、職員の困りごとの解決や能力の向上に向け、様々な研修を企画、実施しています。 これだけでも、皆さんがイメージしている公務員の仕事と違いませんか? 皆さんもそうかもしれませんが、特に、公務員は「安定」というイメージが強いですよね。そして、それと同じくらい「楽な仕事」というイメージがもたれています。 残業もなく、ノルマもなく、窓口に来たお客様に対応するような仕事。定年退職まで働き続けることが当たり前。…etc. 私は、この仕事へのイメージを持った人が、「少なからず」ではなく、「多く」いることが問題だと思っています。 入庁する前、つまり、採用にあたって受験を検討してくれている方々が、このイメージを持っているとしたら、入庁した後にどう感じるでしょうか。 きっと「想像していた職場と違った」となるだろうと思っているのです。その中で、困りごとを解決する研修や能力を上げるためだといって研修を実施しても…結果は火を見るよりも明らかですよね。 この状態は、本人もそうですが、組織にとっても不幸です。仕事へのモチベーションを下げ、市民サービスの低下を招きます。いわゆる「ミスマッチ」というものです。 …もし、受験を検討する際にわかっていたら、他の選択肢があったかもしれない。 「人を採用しなければならない」という仕事上の責任と、「人の人生を左右する」という人としての責任をあわせもち、どのように仕事に向き合うか。 これが私の考える仕事に対する“想い”です。
~なぜ市役所職員でい続けるのか~ 仕事のやりがい・市役所職員とは
前段で、公務員のイメージを書きましたが、恥ずかしながら、私もそう思って入庁した一人です。なので、安定を求めて受験する気持ちはとてもわかります。 公務員も民間企業と同様、仕事が終わらなかったり忙しかったりすると、残業は当然にある。 営業ノルマはないですが、課せられている役割や解決しなければならない課題はある。 窓口で対応する仕事以上に、バックオフィスの仕事や地域に入り込む仕事、様々な企業の方々と一緒に課題解決を考える仕事など、多岐にわたる仕事が盛りだくさんです。 15年間で経験した8部署は、これらのことすべてを含んでいます。 そして、まだ知らない仕事もたくさんあり、これから新しく生み出される仕事もたくさんあります。 そして、一人ひとり、思うことや感じることが違うように、職員一人ひとりが考えるまちの課題も違います。ということは、課題を解決するために取り組む事業も様々です。 これが、市役所職員の仕事です。 自ら考え、行動し、様々な人たちと協力しながら、魅力的な“わがまち”をつくっていく。 この仕事に魅せられるのには時間がかかってしまいましたが、私は魅せられたその一人です。 1つの仕事で専門スキルを磨いていくスペシャリストとは違い、様々な仕事を行うことで広い視野を培っていくジェネラリストとしてのキャリア。 多くの挑戦、出会いが、自分を大きく育ててくれます。 少しでも「おもしろそう!」という気持ちが芽生えた方は、市役所職員として人生を歩んでみるのも一つだと思いますよ! 写真:就職イベントに出展して、採用活動を行っている様子です。
中村さんのプロフィール
2010年に宗像市に入庁。2023年10月から総務部人事課人材育成係。2025年4月の異動により現職。 趣味:体を動かすこと(家族で遊びまわる) ストレス解消法:何も考えず黙々と皿洗いをする、野菜を刻む ※本コラムの記事は、中村さんが人事育成係におられた2025年3月時点のものとして執筆いただきました。

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