2025-01-14
まちの魅力を見つけ、共感を広げる
杉戸町職員/丸林美穂さん

丸林 美穂(まるばやし・みほ)30代 埼玉県杉戸町総合政策課 勤務

地元と本気で向き合ってみよう
私は、子供の頃から芸術やデザインに興味を持ち、大学ではランドスケープデザインを学びました。直訳すると「風景のデザイン」。公園など公共空間を設計することです。 設計を学び、何よりおもしろいと感じたのは、例えば広場に段差をデザインするとそこに人が座り、交流が生まれるきっかけができることです。きっかけひとつで行動が変わり、そのまちの新たな風景となっていくことにワクワクしました。 しかし、全国のまちづくりの事例を学ぶほど、地元である杉戸町とのギャップを感じるようになりました。 埼玉県杉戸町は、町の面積の約半分が農地という、自然豊かで静かなまちです。 都心まで電車で1時間以内という立地のため、通勤通学などの利便性がよいところも魅力です。 一方で、中心市街地でかつて賑わっていた商店はシャッターが閉まり、人通りが少なくがらんとしています。 このままでいいのかというモヤモヤが募りました。 地元と本気で向き合ってみようと思ったことが、公務員になったきっかけのひとつです。
このまちには「いいところが100個」ある
現在、私が所属の総合政策課で力を入れている仕事は、移住・定住のプロモーションです。 昨年度は、シティプロモーション特設サイトの開設に携わりました。 特設サイトのキャッチコピーは『このまちには「   」がある』。 まちの人たちに「杉戸町ってどんなところ?」と聞いてみると、多くの人が「何もないまちだよ」と答えます。 確かに、海もなければ山もない。誰もが知っているような観光名所もない。ちょっと田舎のベッドタウンです。 けれど、美味しいお店があるし、心安らぐ風景があるし、温かく親切な人たちがたくさんいます。 そんな暮らしの中にある小さな魅力に、気づいてほしい。 そして、このまちに「あるもの」としてたくさんの人たちに伝えたい。 まずは、私がこのまちにあるいいところを100個言えるようになろう!と決め、「何もない」と言われがちな杉戸町の「あるもの探し」を始めました。
このまちを好きになるきっかけづくり
あるもの探しにあたって大切にしていることは、「このまちに関わるみんなと一緒に見つける」ことです。 そのための企画のひとつが、「あるもの探しまちあるきツアー」です。参加者には、くじ引きで決まった行き先に町内巡回バスで移動して、あるもの探しをしてもらいました。 参加者がそれぞれ、歩いたことのなかった道を歩いたり、地域の方との交流を楽しんだりして、普段なら通り過ぎてしまうような魅力をたくさん見つけてくれました。 こうしてみんなで見つけた魅力をみんなで発信するために、このまちに「あるもの」をまとめた冊子を現在、鋭意作成中です。 杉戸町に住む人や働く人へのインタビューを行い、人や仕事の魅力も詰め込みます。 制作に協力いただくのは、地域に根ざした活動をしている杉戸町出身のデザイナーや、杉戸町に移住してきたイラストレーター。こうしたクリエイティブな人材がこのまちにいることも知ってほしいという想いもあります。 「杉戸町ってどんなところ?」と聞かれた時に、名刺代わりになるような冊子にできたらと思っています。 このまちに「あるもの」を見つけたら、昨日よりちょっとこのまちを好きになる。見つけたものを誰かに話したくなる。 小さな魅力をきっかけに、想いが波及していく。 公務員としてまちに向き合ったら、モヤモヤがワクワクに変わっていました。
丸林さんのプロフィール
2017年に杉戸町に入庁。2021年から総合政策課。 趣味:音楽・ドラム 地域の人たちとのバンドにいくつか所属してイベントなど出演しています! ストレス解消法:美味しいものを食べること。最近食べたのは、杉戸町・うなぎ割烹髙橋屋のうな重御膳。小骨なしでふわふわのうなぎ蒲焼が絶品です!ふるさと納税でもおすすめです。 記事作成協力:パブリシンク株式会社

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